子どもには自分の道は自分で選ばせたい反面、安心・安全な道を選んでほしいと思ってしまうのはいけないことなのかな?
私のような人生は歩ませたくないから子どもには〇〇になってほしいわ
- わが子に願う親の気持ち
- 価値観や意見の押し付けとは?
- 「あなたのためを思って」の正体
- 自分の価値観を押し付ける親の特徴
- 親の価値観の押し付けで子どもが受ける影響
- 自分の価値観を子どもに押し付けない親になるために心がけたい3つのこと
今回はこのような疑問にお答えします。
この記事を読むことで、親の期待や価値観の押し付けは間違った子育てということがわかります。
そして、子どもが成長する機会を与えられる親になり幸せな人生を送る子どもに育て導くことができるようになりますよ。
わが子に願う親の気持ち
親は子どもには幸せでいてほしいと願います。
ただ、子どもは親とは別人格。
子どもには子どもの人生があります。
でもそれを認識できている親は意外にも少ないです。
親の価値観を子どもに押し付ける親はそもそも押し付けているというつもりはありません。
「子どものため」「子どもに良かれ」と思って良い導きをしていると思っています。
それを本気で信じて疑わず親の考えを子どもに強制します。
「わが子には幸せな人生を生きてほしい」
これは真実です。
でも無意識に自分の考えが正しいと思っていてそこから外れるものは認めようとしません。
それは、日常生活にはじまり、大きなものでいえば進学や就職はなおさらです。
わかりやすいたとえが、一流の大学(学歴)、有名な会社、安定企業で高給といったようなもの。
親が描いている青写真に当てはまらないものは不幸だと決めつけ否定します。
親なりに子どものため、子どもに良かれと思っているのですが、何かにつけて否定され続けると子どもは“居場所”をなくしてしまいます。
とはいえ、親は子どものことをとても愛していることも事実。
親に悪気はなく、ただその考え方や教育の仕方が少々時代遅れであったり間違っていることがあるかもしれません。
それは親自身がそのように育てられてきた、もしくはその子育てが正しいと信じているからです。
「子どもには幸せになってほしい」という親心が少しズレて空回りしてしまっているのです。
ただ、このことに気付けない人がほとんどです。
たとえ気付けたとしても大人になってからが多いと思います。
実際に私も親になってみてから気付けたことです。
価値観や意見の押し付けとは?
家族として一緒に生活していると無意識のうちに親の価値観をそのまま子どもに押し付けてしまっていることがあります。
これは、「家族価値」ともいわれています。
「家族価値」とは、家族の理想・目標のことです。
たとえば、
「高学歴であるべき」
「一流企業に就職すべき」
「安定した仕事が良い」
など、家族の中でよく会話にのぼるようなことを表します。
子どもはこの「家族価値」を頻繁に耳にしていることになりますよね。
この普段何気に聴いている親の価値観がいつの間にか刷り込まれていくのです。
私も思い返してみると親がよく口にしていた価値観に染められていたと実感しています。
「あなたのためを思って」の正体
子どもに「あなたのためを思って・・・」
つい、このように言ってしまうことはありませんか?
でもこの言葉、実は子どもには響いていなかったりします。
子どもに
「勉強しなさい」
「片づけなさい」
「車には気をつけなさい」
「上着を着て行きなさい」
「傘を持って行きなさい」
こんな風に子どもの健康や将来自立して生きていけるようになるために大切なこと。
また、世の中のルールやマナーを教えたりすることも大切なことですが、その最後に「お母さんあなたのためを思って言ってるのよ」と、このひとことを言ってしまいがちです。
この「あなたのためを思って」を発してしまうとき、もしくは「子どものため」と思って考えたりやってしまうときに隠されていることがあります。
それは、「子どものために」が実は「自分(お母さん)のため」になっているということです。
たとえば、「片付けなさい」は「散らかっている部屋を見るとイライラする」が隠れていたりします。
「勉強しなさい」には「いい成績を取らないと〇〇校に入って欲しいのに叶わないかもしれない」といった自分の立場や願望の不安からだったりするのです。
そのようにお母さんから「あなたのためを思って」と言われても子どもは理解できません。
「あなたのためを思って」という言葉ではなくもっと子どもにわかりやすく伝わりやすい言葉で話す必要があります。
たとえば「片付けなさい」なら、
「使ったものは元の場所に片付けようね」
「次に使いたいときに困ってしまうし探さないといけなくなるよね」
「お部屋がスッキリしてる方が気持ちいいよね」
のように、子どもが「あ、そっか」「そうだよな」と納得できる伝え方をすると子どもはすんなり聞き入れてくれます。
そして、お母さんのモヤモヤした気持ちも言語化して伝えることでスッキリします。
「あなたのためを思って」という一見聞こえの良い言葉の正体はお母さん自身の不安からおこっていたのです。
自分の価値観を押し付ける親の特徴
自分の価値観を子どもに押し付けてくる親には大きく分けて2つのパターンがあります。
ひとつ目は、
自分が果たせなかった夢をわが子に期待しているケース。
これはお父さんにありがちです。
たとえば、
サッカー選手や野球選手になりたかった夢をわが子に託すというパターン。
子どもがやりたいとか興味があるのなら問題はありません。
しかし、子どもがやりたくないものに無理やり、しかも逃げ場のない状態でやらせるのは明らかに子どもの意思を無視していますよね。
子どもに期待すること自体はOK!
ただ問題なのは自分が果たせなかった夢が必ずしも「子どもにとって良いものである」と決めつけてしまうこと。
この決めつけには注意したいですね。
そして、ふたつ目は、
自分と同じ苦労や失敗をわが子にさせたくないという先回りの心配のケース。
自分がしてきた苦労や失敗、辛い思いを子どもにはさせまいと先回りをしてそれらをはじめから取り除いてしまう行動です。
これは子ども可愛さの過保護とも取れる行動ですが、そもそも親と子どもは違う人間。
親が大変と感じたことを同じように子どもも大変だと感じるかどうかはわかりませんよね。
本来、子どもは様々な経験の中から学んでいきます。
上手くいかないこと・悔しい思い・諦めたい気持ちと諦めたくない気持ちの揺れ・頑張ってできたときの達成感・・・
そのような子どもにとって必要な経験をする機会を制限してしまわないようにしましょう。
ここで、ひとつ目の自分が果たせなかった夢をわが子に期待しているケースに関連したお話しをご紹介します。
どうでしたか?
ドキッとする方も見えるかもしれませんね。
「子どものため」が「子どもの人生を邪魔するもの」になってしまわないようにしたいですね。
親の価値観の押し付けで子どもが受ける影響
自分の価値観を押し付ける親は子どものことを残念ながら一人の人間、自分とは別の人格という見方をしていません。
「私の子ども」という認識になっていて自分の所有物のように扱ってしまいます。
何をするにも先回りの手出し口出しをし、親の都合のいいように誘導する一面も見受けられます。
それでは子どもの意見を尊重したりせっかくの物事を選択させる機会を奪ってしまいます。
すると子どもは自分で考えたり決めることができなくなり誰かの指示を待つようになってしまうのです。
自分で考える・決める・行動することができなくなる
すべて親に決められて言われた通りに育った子どもは自分で考えることを・決めること・行動することが不足しています。
そして、親の顔色をうかがって親の機嫌を損ねない範囲のもので小さく無難にまとまる受け身の子どもになってしまいます。
まさしく過去の私のことです。
いつも親の顔色をうかがって親の機嫌を損ねないことが最優先でした。
親の言う通りに従ってばかりでいると自分で考えること・決めること・行動することは無いに等しいのです。
他人軸になってしまう
常に受け身でいることは人に言われたことを選択することが多いということ。
人に言われたことを選択して上手くいかないと自分で決めた責任感がないためすぐに諦めてしまう傾向があります。
さらに自分の意見を主張することも少ないため、他の人の意見を聞くと他の人に合わせようとしたりそれを自分に取り入れてしまいます。
肝心な自分の気持ちをスルーしてしまうのです。
自分の気持ちを無視すると自分のことなのに「自分の好き」「自分のやりたいこと」すらわからなくなります。
自分がない状態でいることはいつも不安に包まれています。
小学校低学年の頃までの私はいつも誰かの後についていないといられない子どもでした。
自立しにくい
親の言うことを聞いてきた習慣、積み重ねから誰かの指示を待つようになりがちです。
常に親が先回りをしてしまうために子どもが壁にぶつかる経験、いわゆる成長する機会を奪ってしまうのです。
そうなると必然的に自立は遠のいてしまいます。
わが子には自分の二の舞を演じさせたくなかった私は「自立」できる子どもに育てたい気持ちをとても強く持っていました。
親子の信頼関係が築けない
子どもの意思や気持ちに関係なく親にコントロールや否定をされた子どもはストレスを溜め込みやすくなります。
「どうせ話しても聞き入れてもらえない」と悟って親に本音を話さなくなり会話も少なくなっていきます。
自分が尊重されないことで親に対する信頼もなくなっていくのです。
「どうせ話してもムダだよね」と思っていた私は親に対して相談はもってのほか、気軽な会話でさえ気を遣っていたように思います。
これでは親子の信頼関係どころではありませんよね。
このことも私の子育ての教訓になりそのおかげで子ども達との関係はとても良好です。
自分の価値観を子どもに押し付けない親になるために心がけたい3つのこと
親は親、子どもは子どもの人生があります。
重ねていい部分、重ねる必要がない部分があります。
親の価値観を子どもに押し付けてしまうのは親の心配や不安が前提にあります。
そんな心配や不安を必要以上に抱かない状態であればいいということになります。
そのために心がけたい3つをご紹介します。
お母さんは自分のやりたいことを堂々とやりましょう。
子どもや家族に遠慮する必要はありません。
自分を我慢させたり後回しにすること、まわりに合わせることはやめる。
自分だけの時間・自分だけの楽しみを持っていい!と自分に許可をしてあげる。
自分を目一杯満たすことがとても大切です。
わが家の場合、私の仕事をしている姿(背中)や自由奔放さを子ども達は見てくれていました。
早起きをして資格の勉強をしている姿・お客様との関わり・資料作り・出張と行った頑張っているお母さんの姿もあれば、趣味を始めてみたり不意にひとり旅に出かけるお母さんの姿も。
子どもたちは自由なお母さんだと半ば呆れていたのかもしれません。
でも、そんな私が不機嫌なわけがありませんよね。
自分がごきげんだから子どもに対しても穏やかでいられます。
もちろん、社会的なルールやマナー、危険なことへの配慮はおさえておいてのことです。
自分に優しくして満たされていれば自然とまわりにも優しくなれます。
ゆるせるようになれます。
見える世界が変わります。
そうすれば、表情も言葉も振る舞いも変わります。
すると、不思議なことにまわりも変わっていることに気づくでしょう。
「子どものため」の前に「自分のため」が先なのです!
先回りの手出し・口出しをしたくなるかもしれません。
「あなたのためを思って・・・」と言ってしまいたくなるかもしれません。
自分の果たせなかった夢を託してしまいたくなるかもしれません。
自分がされてきた子育てが正しいと思うかもしれません。
あなたが思う安心・安全の生き方があるのかもしれません。
でも、あなたはあなた、子どもは子どもなのです。
愛するわが子が幸せな人生を歩めるよう手出し口出しは控えて子どもを心から信じて見守り応援してあげましょう。
子どもとの“距離感”を意識したことはありますか?
子どもとの距離感には、体の距離感と心の距離感があります。
子どもが小さなうちは手助けや配慮が多い分、体の距離感も心の距離感のどちらも近いです。
ですが、子どもの成長に伴って体と心の距離感は少しずつ離していく必要があります。
少し距離を置いて子どもが持っている力を信じて見守ってあげましょう。
どうしても手助けが必要なときだけサポートをする。
付かず離れずの距離感が大切。
そんな風に子どもの成長に合わせて体と心の距離感をとっていきましょう。
まとめ
基本的に親はわが子に親の価値観を押し付けようとは思っていません。
ただ、自分の過去の失敗や後悔を子どもには味合わせたくない、子どもには辛い思いをしてほしくないといった「あなたのためを思って」という親心から起こっています。
それが、知らぬ間に子どもの成長の機会を奪う言動になってしまっているのです。
親は親、子どもは子ども。
私の子どもではあるけれど、私の所有物ではない。
子どもにも人格がある。
あらためてそのように再確認することで、親の価値観の押し付けは減っていくのではないでしょうか。
そのためにも、お母さんはもっと自分に目を向けて自分を大切にしてあげましょう。
親の価値観の押し付けがなくなれば子どもは自分らしく幸せな人生を歩んでいけるのです。
今回の内容が少しでも子育てに悩むあなたの気づきやヒントになれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメント